余熱調理:鍋から出しても卵に火が通り続ける理由
沸騰したお湯から卵を引き上げても、中心はまだ火が通りきっていません。殻のそばの白身はほぼ 100 °C なのに、黄身の中心はずっと低温で、熱は数分間内側へ流れ続けます。よいゆで時間はこのことを計算に入れています。
中心はどれだけ温まり続けるか
冷蔵庫から出したばかりの M サイズの卵(58 g)を半熟にゆでる場合です。ゆで時間は、どの冷やし方でも黄身の中心の最高温度が同じになるように選んでいます。
| 冷やし方 | ゆで時間 | 取り出したときの黄身の中心 | 黄身の中心の最高温度 | 温まり続ける時間 |
|---|---|---|---|---|
| 氷水 | 7:15 | 38.4 °C (101.1 °F) | 59.0 °C (138.2 °F) | 3:41 |
| 室温の水 | 6:58 | 36.0 °C (96.8 °F) | 59.0 °C (138.2 °F) | 4:12 |
| 室温の空気 | 4:14 | 13.2 °C (55.7 °F) | 59.0 °C (138.2 °F) | 10:16 |
氷水に入れても、お湯から出したあと黄身の中心はさらに約 21 °C 上がります。キッチン台に置いておくと約 46 °C 上がるため、卵はずっと早く取り出す必要があります。7:15 ではなく 4:14 です。
なぜそうなるのか
熱は伝導によって、ゆっくりと卵の中を進みます。ゆでている間は外側が先に熱くなり、中心は遅れて温まります。卵を取り出しても外側の層はまだ中心より熱いので、内と外の温度がそろうまで熱は内側へ流れ続けます。殻を氷水ですばやく冷やすとこの流れが断たれ、空気でゆっくり冷ますと、たくわえられた熱がずっと多く黄身に届きます。
キッチンでの意味
- 氷水がいちばん予測しやすい仕上がりになります。余熱が小さく、キッチンの室温にも左右されません。
- 冷やさないなら、ゆで時間を短く。殻ごと冷ました卵は、キッチン台の上で火が通りきります。
- 中心が温まらなくなるまで冷たい水に入れておく。早く出しすぎると、余熱調理が続いてしまいます。
計算機を開く。タイマーには冷やす工程も含まれ、シェフモードでは黄身の温度をリアルタイムで表示します。